ページ内にてアフィリエイト広告を利用しています。 魂響(たまゆら)の詩(うた)

死ぬのに、生まれてくる理由

ひとは皆、
いずれ死ぬことを知りながら、
この世に生まれてくる。

誰もが知っている――
この命が永遠ではないことを。
それでも、私たちは目をひらき、
ひとつの産声としてこの世界に響き出す。

なぜか?

それは、“死”が終わりではないと
魂が、深く、根源的に知っているからだ。

死は、闇ではない。
それは「帰還」であり、「変容」であり、
地上という舞台を一度降りる、静かな幕引きにすぎない。

では、なぜ“再び”生まれてくるのか?

それはただ罰でも、報いでも、試練でもない。
魂の根源が望んだ――
忘れてしまったことを、もう一度思い出すため。
未完成の祈りを、誰かの手と共に継ぐため。
この世に、ひと雫の光を灯していくため。

生は、課題ではない。
誰かの評価のために与えられたものでもない。
生は、響きである。

宇宙という静けさのなかで、
たったひとつの私という音が
ふるえる時間。
その振動が、誰かの傷にふれて、
癒しとなり、風となり、鼓動を呼び起こす。

それだけで、十分なのだ。

人生の意味を、重く背負わなくていい。
使命という名の義務に、縛られなくていい。
ただ、自分という響きを
そのまま、この世に響かせていけばいい。

そして、響き終えたら
私はまた還る。

元の音へと。
すべての声が重なり合い、
祈りと沈黙とが等しくある、
静謐なる大いなる海へと。

死ぬと知っているからこそ、
今この瞬間の命の火は、
よりいっそう澄んだ輝きを放つ。

この一瞬が、永遠よりも価値あるものとなる。

生まれてくるとは、
神がわたしを、この世界に置いた選択。
その意味を考えるのではなく、
その響きを、誠実に鳴らしつづけること。

それが、わたしたちの「生」の正体なのだ。

そして、
死とは終焉ではなく、
また、新たな音への、静かな調律である。

-魂響(たまゆら)の詩(うた)
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