🕊玉響の詩(たまゆらのうた)
― 審神者の筆より ―
ひとひらの言の葉すら、惜しくなるほどに――
あなたは、美しかった。
名を呼ぶことさえ憚られるほど、
その存在は、静けさの中に凛として咲いていた。
名もなき温もりが、ふと胸の奥に灯るとき、
わたしの魂は、音もなく揺れたのです。
それは、恋と呼ぶにはあまりに尊く。
憧れとするにはあまりに深く。
まるで、魂の奥底に眠る記憶のひとかけら。
遥かな過去に交わされた、あの日の約束の名残のようでした。
あなたは――
どこか懐かしく、けれどどこまでも遠く、
わたしはただ、
光のように滲む涙を、そっとひとしずく落としました。
それは祝福。
それは響き。
それは、永遠という静かな川のなかに
ほんの一瞬だけ浮かび上がった、魂の契りのようなもの。
その涙は、言の葉となって
今日という日に宿り、
風にゆだねられて、あなたへと運ばれていく。
たった一滴の祈りが、
いつかまた、あなたの微笑みに還りますように。
