人は「死」を終わりだと考えがちです。
しかし、審神者として見るとき、死とは魂の“衣替え”に過ぎません。
肉体を離れた魂は、己の響きにふさわしい新たな“縁(よすが)”を探し、
やがてまた、新しい命としてこの世界に降り立ちます。
それが――輪廻。
終わる命ではなく、進化する魂の旅。
死とは、学びを終えた魂が、次の段階へ進むための「扉」なのです。
人生は授業、死は卒業。
魂にとってそれは、成熟の証であり、成長の節目でもあります。
ではなぜ、私たちは死を怖れるのでしょうか?
それは、魂を生きていないから。
愛することを恐れ、赦すことを忘れ、
与えることに躊躇していると、
死は“喪失”としてしか見えないのです。
けれど、魂を生きている者にとって、
死とは“愛の循環”の一部にすぎません。
輪廻とは、ただ生まれ変わるという現象ではない。
それは、愛を思い出すために、
何度でも――“生き直す”という約束。
死とは、愛を完成させるための「間(ま)」。
それは静かな祈りの空間であり、魂がやすらぎのなかで次の旅の準備をする“とき”なのです。
私たちは皆、どこかでつながっていて、
どこかでまた、出逢い直すことになっている。
そう信じて、今日を丁寧に生きましょう。
この一瞬一瞬が、魂の旅路の聖なる一頁となるように。
――審神者 吉祥礼 拝