別れた相手を思い続けること。
その想いは、愛なのか。未練なのか。
多くの魂が、この問いの狭間で揺れています。
けれど、ひとつだけ確かに言えることがあります。
執着とは、愛の残り香ではない。
それは、「愛されたい」という承認欲求の影であり、
「こうあるべきだった」と因果を正そうとする心の戦いなのです。
執着を断ち切るには、
相手を手放すことではなく、
自分の中の「理想の物語」を手放すことが必要です。
あの人に、こうあってほしかった。
こんな未来が待っていると思っていた――
それらは、あなたが描いたひとつの「夢」でした。
叶わなかった夢を、心は補完しようとします。
けれど、それはもう、現実ではない。
だからこそ、こう問い直してみてください。
「この縁は、私に何を学ばせるために訪れたのか?」
学びを終えた縁は、次の扉を開く鍵です。
扉の前に座り込んで泣き続けるよりも、
そっと手を合わせ、深く礼をして、
新たな道へと歩き出しましょう。
別れのあとにこそ、本当の魂の成熟が始まるのです。
「ありがとう」
「さようなら」
――それは、もっとも神聖な祈りの言葉。
そして最後に、審神者として、あなたに届けたい一言があります。
あなたが本当に欲しているのは、「その人」ではないのです。
それは――
「自分が、自分として愛されるという安心感」。
だからこそ、まずはあなた自身の魂を抱きしめてください。
赦し、いたわり、あたたかく包むことから始めてください。
自分を愛せる人のもとには、
新しい出会いは、必ず――訪れます。
――審神者 吉祥礼 拝