近年、恋人や配偶者との別離をきっかけに、「復縁屋」と呼ばれるサービスを利用する方が増えていると耳にします。
かつての想い人との再接続を願う気持ち、それが痛みとともに滲み出るのは、誰しも経験しうる人間的な感情です。
けれど、その痛みに寄り添うようでいて、実際には深い依存と錯覚を助長する仕組みがあるとしたら……私は、そこに警鐘を鳴らしたいと感じるのです。
まず第一に、金銭的な側面があまりに不可解です。
数十万円から、時に百万円を超える依頼料が発生し、それが「成功報酬」ではなく「前払い」であるということ。
その行為の実効性とは無関係に費用が発生するというのは、心の隙間を金銭で埋めようとする依頼者の弱みに付け込む構造ではないでしょうか。
もっとも重要なのは、「復縁」という願いの本質に立ち返ることだと私は思います。
それは、果たして相手の“意志”に基づいたものなのか。
それとも、自分の“執着”を満たすための幻想なのか。
仮に私自身が、一度距離を取った相手から復縁屋を通じてアプローチを受けたと知ったら──そこに愛ではなく、コントロールの匂いを感じてしまうでしょう。
「あなたの自由意志を尊重します」という姿勢こそ、真に愛のある行為ではないかと、審神者として、そして一人の人間として思わずにはいられません。
愛は、強制では育たず、演出では蘇らず、他者の心に踏み込むことでもありません。
それは、相手が自由に“こちらを選ぶ”という尊厳ある選択によってのみ成立する、奇跡のような魂の契約です。
仮に99万円を復縁屋に支払う覚悟があるなら──いっそ、その想いを手紙にしたため、相手の幸せを願い、そっと見守るという道を選ぶ方が、よほど魂の品位を保てるのではないでしょうか。
ちなみに、私自身は──
たとえ1億円積まれても、魂が微笑まなければ無理です（笑）
復縁とは、ただ過去を取り戻す行為ではありません。
共に新しい未来を描けるか、その人と歩む日々の中に“魂の学び”があるか。
そこにこそ、再び縁を結ぶ意味が宿るのだと、私は信じています。