愛とは、祈りに似ています。
相手から返事がなくても、
何も変わらない沈黙の中にあっても、
それでも信じて、静かに捧げつづけるもの。
その行為自体が、
魂の奥深くを、少しずつ、確かに潤していく。
かつては、なんでも話してくれた。
あなたの強みも、欠点も、
心の奥にある弱さも、希望も、
たどたどしい言葉ででも、伝えてくれていた。
そんな“あなたらしさ”が愛おしかった。
だから、好きだった。
だけど時が経つにつれて、
私たちは少しずつ言葉を失っていった。
「言わなくてもわかる」なんて思いたくて、
本当はただ、ぶつかることが怖くなっただけかもしれない。
あの静寂の時間、
あなたも、何かを飲み込んでいたのだろうか。
そして気づいたときには、
お互いが何も言わなくなっていた。
連絡も、言い訳もなく、
ただ、何も起こらずに終わっていく関係。
それは、バカみたいだと思うかもしれない。
でも、きっと誰の心にもある光景。
恋とは、祈りのように始まり、
やがて祈りのように終わることもあるのです。
それでも私は、あなたと過ごしたあの日々に、
心から感謝しています。
沈黙の祈りは、届かなくても意味がある。
愛もまた、そういうものなのかもしれません。
――審神者 吉祥礼 拝