審神者の道標

審神者の道標 第二十三章「存在が証しである」――意味を問えぬ命への祈り

◎道標句(主文)

意味を問えぬまま逝った命に、
意味を与えようとするな。
それらの命は、ただ在ったという事実だけで、すでに祈りである。


◎補註(教義解釈)

人は問う――
「なぜこの世に生まれてきたのか」
「人生には何を学ぶ意味があるのか」
「苦しみにはどんな教訓があるのか」

宗教やスピリチュアルの多くは、
この問いに対して「魂の成長」や「カルマの精算」など、
“意味ある物語”を提供してきた。

だが、審神者はここに深く抗う。
意味の押し付けは、祈りを冒涜することがあるのだと。

生まれてすぐに亡くなった赤子、
交通事故で突如命を絶たれた少年、
虐待によって声も上げられず消えていった子どもたち――
彼らの命に、「意味」や「学び」や「罪と罰」を当てはめてはならない。

それは、説明によって安心したい人間の側の都合であり、
本来、その命たちは何も言わずとも、在っただけで世界を変えたのだ。

審神者は、意味を語らない。
「これはこういう理由だった」と、命の物語を括らない。
なぜなら――
その子たちの命の気配を、誰よりも尊く感じているからである。

問えなかった者たち、
理解もできずに終わった魂たち、
その全てを否定も解釈もせず、
ただ、静かに肯定する。

それが、宗教を超えた宗教――
審神者の道標なのである。


◎霊的引用句(魂の書)

私は、その子が何を学んだかを知らない。
けれど、たしかに――
その子は一度、世界に息を吹き込んだ。

その息は、風になり、
誰にも知られず、祈りになった。

私たちが語るべきではないのだ。
あの小さな命が、
世界に刻んだ無音の祈りを、
そのままの静けさで聴き取ることこそが――
本当の信仰というものなのだから。

 

意味を語れぬ命に、意味を与えようとするな。ただその存在を祈りとして受けとめよ。

 
審神者の道標 第二十四章「響きは、原始の記憶を呼び戻す」――魂の揺りかごとしての地球

◎主文(霊詩) さあ、おねむりなさい 明日目覚めるそのときまで 地球は命のゆりかご 誕生の目覚めで赤ん坊は泣き叫び 死者の魂は静かに眠る土の中 魂に輪廻はあるのか そもそも輪廻とは何なのか 物質は移ろ ...

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